検索
以前の記事
2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 05月 2023年 02月 2022年 12月 2022年 11月 more... 最新のコメント
記事ランキング
|
少年鑑別所で彼と会い話を聴いているうちに、とても家には帰すことができないと思うようになりました。調査官も同じ考えで、委託先を探すことになりました。ちょうど、とてもいい委託先が受け入れ可能と聞き、その方向で審判を迎える予定でした。ところが、それまで少年にも面会せず、調査官の呼び出しにも応じなかった母親が審判直前になって、突然自分が引き取ると言い出しました。すったもんだした末、予定通り委託先に行くことになりました。審判後荷物を撮りにいかないと行くことになったのですが、母親はあとで送ると言い、少年や私達が家に行くことを妙に拒んでいました。不思議に思いつつ、私と彼は家に荷物を取りに行きました。
玄関まで行くと、その横に解体されたベッドが放置されていました。彼が使っていたベッドです。中に入ってみると、彼の部屋は片付けられ何もない状態で、彼の物は何個かのポリ袋に入れられていました。 それを見た彼は正に激昂…部屋の中のものを放りまくり、窓ガラスを蹴って割り、外に飛び出して行きました。私はどうしていいかもわからず、ただ彼のあとを付いて行きました。彼はコンビニに入り、タバコとライター、そして缶コーヒーを買い、コンビニを出たところで、タバコに火をつけました。彼の手は興奮で震えていました。ちゃんとした大人なら、注意するんでしょうが、大人になりきれない私ができたことは、道のど真ん中でタバコを吸っている彼を植え込みの横まで連れて行き、あまり人に見えないようにヤンキー座りしながら一緒にタバコを吸うことでした。とんでもない弁護士…。 何本か立て続けにタバコを吸い、ようやく落ち着きを取り戻した彼を促し、委託先に向かおうと私の車に向かいました。車に乗り込もうとするとき、彼の母親が走ってきて、「親の気持ちも知らないで」と言いながら、彼に掴みかかりました。彼は、「おまえのどこが母親だ」と向かって行きました。間に挟まった形で何とか二人をひきはなし、彼を車に押し込み、私は車を出しました。委託先に到着するまでの間、重苦しい雰囲気が漂いました。(濡れ落ち葉) 【子どもセンター「パオ」のサイト→http://www.pao.or.jp/】
by npo_pao
| 2012-03-24 18:21
| パオ弁日記
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||