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最近担当した少年事件で失敗をしてしまいました。
事件の軽微さ、前歴がないこと、兄弟で事件をやており兄の方が要保護性が高いのに裁判所も兄の付添人も家庭に帰す方向で一致していること、事件が遠い裁判所の事件でありしかも実家はさらに遠い他県であること・・・そんな諸々のことがあり、保護観察という裁判所の既定路線に私自身が直前まで安易に乗ってしまっていました。 でも、最後の方で、やはりこの子のことを考えるとトラブルが絶えないその家庭に帰すのはよくないんじゃないかと思い直し、審判直前になってばたばたと動きました。何とか委託先を探しそこでしばらく様子を見るようにしてもらおう(試験観察という形にしてもらおう)としました。少年も私との最後の面会で、委託先に行くことに意欲を見せてくれました。 しかし、やはり既定路線は変わらず保護観察となりました。調査官も、この危うい家庭は変わらないと話していたのですが・・・。 確かに、最近ちょっと忙しくってなかなかゆっくり時間が割けなかったということもありました。審判の中で少年が最後の最後でやっぱり家に帰りたいと語ったということもあります。それでも、やっぱり、これは付添人の完全な努力不足でした。もっと早くから、この少年にとって一番いい方法をもっとちゃんと提示していれば事態は変わったかも知れません。 この少年が近くにいてくれれば、今回がこのような形で終わっても、今後も何かあれば関われる(まだ第二ラウンドがある)という気持ちにもなりますが、余りにも遠い・・・。 保護観察だったんだからいいじゃないかという見方もありますが、長い目で見たときにこの少年にとって軽かったからいいとはいえないように思えてなりませんでした。 兄も保護観察になり、兄弟で両親や兄の付添人の前で喜び合っていました。少年をそっと呼び出し、彼に「これから大変だと思うけど、何かあったら連絡してね」と伝えるのが精一杯で一人裁判所を後にする自分がいました。(踏み外し弁護士) 【子どもセンター「パオ」のサイト→http://www.pao.or.jp/】
by npo_pao
| 2011-11-02 07:00
| パオ弁日記
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