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こういう仕事をしている因果か、パオ絡みか否かを問わず、家を飛び出してきた子どもの相談をよく受けます。そんなとき、まずはその子の所属(何歳?学生?働いてる??自立への志向などなど)、児相相談所の協力が得られるケースか否かの判別(悲しいことに、同じケースでも、児相相談所によって温度差があり協力が得られるところもあれば得られないところもある)、とりあえずでも生活できるところの確保、児相相談所以外の支援してくれる社会的資源の有無など、頭を巡らせながら、色々画策を練っていきます。ある程度方向性が決まったら、親御さんに手紙や電話で連絡を入れます。そのとき、私はどういう立場?大人の事件なら代理人・・・でも、依頼者は未成年者・・・家庭裁判所の事件では一定の事件で子どもに当事者としての立場を認め、その代理を認めています(子どもの手続代理人といいます)。私は親御さんたちに連絡する際、「その子の代理人」と言うこともありますし、「その子の支援弁護士」と言うこともあります。子どもの権利条約で認められている子どもの意見表明権を実現するためには、家庭裁判所の事件であろうがなかろうが、それぞれの子どもが意見を表明することができ、それを補完するために代理人が就くことができるのは当然のことだと思っています。
親御さんに連絡したときの親御さんの反応は本当に様々です。子どもの代理人として親御さんの前に弁護士が現れるわけですから、親御さんからすれば自分が親として失格のように思われていると思うかも知れません。それで、弁護士が出てくることに強く反発するケースもあります。でも、意外かも知れませんが、そうではないケースが結構あるのです。子どもが堪えられなくなって家を出るときって、実は親御さんもどう子どもに接していいかわからなくなっているケースが結構あるのです。そんなときに、子どもの代理人が入ることによって、無理に一緒にいなくてもいい、距離を取りながらもいい親子関係を作っていけばいいと思ってもらえるようになる親御さんもおられます。私たち子どもに関わる弁護士は、単純に親子を断ち切ればいい、親を責めればいいと思っているわけではありません。愛情があっても距離が近すぎてうまく行かないケースは山ほどあります。自分たちだけではにっちもさっちもいかなくなってしまったケースが山ほどあるのです。そんなときに、子どもの立場に立った弁護士が入ることによって、うまく距離がとれるようになるケースも実際あります。私がたまたま幸運なのかも知れませんが、実はそういうケースの方が多いように思います。そういうケースに出会うと、本当に救われる思いがします。いつか、この親子はいい関係になっていけるし、なっていけるように自分も努力しないといけないと戒めます。子どものために頑張ってきてよかったと思える瞬間です。 多田代表が昨年のパオイベントで「子どもを信じる自分を信じる」と話されていました。この言葉はアル中ハイマーの私にもずっしり残っています。いつか自分もそう思えるような弁護士、いやその前に人間になりたいなと思います。そのために、子どもたちに鍛えられ、励まされ、弱音を吐きながら酔っ払いながらもちょびっとでも前に進もうと思っています。 現実はそんなに甘くなく、自分の足下すらおぼつかない状況ではありますが、それでも「子どもを信じる自分を信じる」人たちと一緒に頑張っていこうと、赤ワインで真っ赤になりながら思う今日この頃です・・・。(アルチューハイマー) 【子どもセンター「パオ」のサイト→http://www.pao.or.jp/】
by npo_pao
| 2020-06-15 20:50
| パオ弁日記
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